危機的文化財現地ツアーTokyo

2010年3月6日、『景観と住環境を考える全国ネットワーク』の『危機的文化財現地ツアー』へ参加してきました。
このツアーに参加するまで、東京都内にある大変素晴らしい建造物や文化財にこんなにも危機的な問題が起きているだなんてまったく知りませんでした。
今回参加しただけで何を伝えることが出来るかは分かりませんが、感じたことを素直に記事にしようと思います。
実際に現地で見たもの、バスの中で説明を聞いたこと、すごくたくさんあるのですが、記事ではいくつかに絞って書くことにします。
今回のツアーのスタート地点は飯田橋の駅前にある江戸城の外堀。
今にも雨の降り出しそうな天気の中、ガイドの方から今起きている問題を聞きながら、外濠公園をみなで1時間程度歩き、カナルカフェへ移動。

余談ですが、カナルカフェは前から行ってみたかったのでちょっとウキウキしてしまいました。

カナルカフェではランチの前にオーナーの羽生裕子さんが今外堀に起きている問題を大変わかりやすく説明してくださいました。

上の写真はカナルカフェから撮影したものです。
今左側にはビルがいくつか建っていますが、それほど高くはないと思います。
実はこのビルが建っている場所が再開発地域となっており、数年後には高さ約150mクラスのビルが2棟建設されるらしいのです。
当然そんな高さのビルが建てば、景観も大きく変わり、しかもそのビルの影響で神楽坂の入り口近辺までが日陰となってしまうのだそうです。
カナルカフェではここ数年、ホタルを見れるようにお堀の環境を改善し、やっとこさ見れるところまでこぎつけることができたそうです。
その努力も、この建設でどうなるかわからないそうです。
また、東京逓信病院が近くにはあるのですが、飯田橋の駅からそこへ向かうまでの間のビル風の問題なども心配していらっしゃいました。
昔から住んでいる方ならではの視点で話を聞くことが出来、いろいろ考えさせられる問題でした。
食事もこのツアーのために、特別にとの配慮をしていただき、羽生さんの人柄の素晴らしさも感じました。

飯田橋からはバスで小石川後楽園を通り、茗荷谷近くにある『銅御殿(あかがねごてん)』へ。
湯立坂を散策しながら、問題となっているマンション建設場所を見て、いざ銅御殿の内部へ。



銅御殿の内部は撮影禁止とのことで、とりあえず外側をパシャパシャと撮影しました。
先程ちょこっと書きましたが、実は銅御殿の横ではマンションの建設が行われています。
高層マンションが建設されれば当然景観は悪くなります。
そして、内部で見て驚いたのは、関東大震災でもビクともしなかった銅御殿が工事の影響で壁が割れだしているということ。
工事前の写真と、工事が始まってからの写真を見せていただいたので、きっと工事の影響なのでしょうが、警察などに話をしても認められないそうです。

写真左の白い部分の辺りがマンション建設現場です。
ほんと銅御殿のすぐそばで、実際の工事現場をみればわかりますが、あれほど土を掘れば、まわりの土地に影響がでるのではないかとだれでも思うはずです。
それから、ちょっと聞いた話なのですが、この工事現場付近には立派な桜の木があったそうです。
工事前にどの木が大切ですかと聞かれ、その立派な木だと言ったら、工事開始の真っ先にその木を切り倒したそうです。
なんとも言えないつらい話です(カナルカフェの羽生さんも柳の木が突然切り倒されショックを受けたと話をしていました)。
今は銅御殿が崩れることなく、この先も残ることを祈るしかありません。
浅草寺や、歌舞伎座などをバスで巡り、次は明石小学校へ。

歴史的、文化的な価値があり、かつ耐震性などに問題はないのにも関わらず、解体が行われるそうです。
卒業生などが立ち上がり、保存に向けて取り組んでいるそうです。
今回のツアーにも卒業生の方がいらっしゃいました。

明石小学校の向かいにある『カトリック築地教会』。

最後はバスで新丸ビルに移動し、解散となりました。
開発する側の考えや意見はわかりません。
ですが、今あるものを残しながら、うまく共存していくことはできないのでしょうか?
今回見たもの以外にもたくさん素晴らしい建造物や文化財が都内にはあるはずです。
ひとつでも多くのもの後世に残していきたい、そう実感させられるツアーでした。
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